開発室だより

バン

坂東 章平 (ばんどう しょうへい)

サウンド&ミュージックエフェクト担当

 最初に私のところへ「曲書いてくんない?」と声が掛かって
はや2年。こうして製品版を手に取ってみると過去の苦労がア
リアリとよみがえり脳内走馬灯が大回転、遠い目をしたまま夕
陽にむせび泣いてしまいそうになりますが、みなさまいかがお
過ごしでしょうか。音楽&効果音担当の坂東でございます。

 音楽といえば思い出されるのはやはりアレですね、タイトル
曲です。実はこの曲、ゲーム中では唯一歌詞がついてる曲なん
ですよ。プレイした方はお判りですね。「マイクでポン!」の
画面下に出るテロップ、あれはちゃんとメロディに追従してい
て歌えるようになってるんです。
 タイトル曲はもともと歌詞無しで書き始めて後から詞をつけ
る予定だったんですが、肝心の曲に今ひとつピンとくるものが
できなくて悶々としていたんですね。で、苦心の挙げ句思い付
いた逃げの一手が

「それなら歌詞を先に作ってしまえば楽勝じゃーん」

 今思うと我ながら余りにもテイキットイージーな発想にしょっ
ぱい気持ちになりますが、精神的にもスケジュール的にも崖っ
ぷちに立たされていた当時の私は光の速さで歌詞を発注。すっ
かり問題が解決した気分になって歌詞の上がりを待ったのです。

 そして数日後、ナカムラさんから完成した歌詞を渡されました。

「♪ボクチン大好き夏休み」

 面白い。ファンキーだ。表現の自由だ。と一目見て思いまし
たが、同時に頭を抱えましたね。果たしてこれだけぶっとんだ
歌詞に拮抗するだけのメロディを見つけられるのか。これなら
メロ先行で作ってたほうがずっとラクチンだったんじゃなかろ
うかと。事ここに至って自らハードルの高さを上げてしまった
ことに気付く私。ハハハと笑ってみても空しさがつのります。

 そこからが大変でしたね。「♪ボクチン大好き夏休みィィィィ」
と唸りながら一心不乱にキーボードを叩く日々が続きました。
いい年こいた男が苦悶の表情で「♪ステキなステキな夏休みィ
ィィィ」とうめく様はかなり人生について考えさせられるもの
がありますが、本人は追い詰められてますから必死です。

 で、大煮詰まりの日々が数日続いたあと、トワンギーなギター
の音色に触発される感じで突然メロディがするすると出てきま
した。そこからはトントンと曲が組み上がって行き、やれやれ
とデモMDを持ってナカムラさんのところへ。

 デモを聞かせるとまあまあ好感触の御様子ですが、さりとて
ピンときている感じでもなさそう。

「これって詞がついてるんだよね」
「ええついてます」
「・・・じゃ歌ってみて?」

 歌うって、ここ仕事場ですぜ。他のチームが黙々と仕事をし
てる隣で歌うのはちょっと・・・。と躊躇していると他のメン
バーも口々に「聞きたい」と言い出す始末。エエエ仕方ない。
ならば俺の熱いメロを聴け!と半ばヤケクソで歌いましたよ。
しかもフルコーラス。

 まあ、熱唱(?)の甲斐あってかその曲は無事OKが出ました。
いやあ人生って何が幸いするかわからないもんですね。ではまた。



シバタ

柴田 晃宏 (しばた あきひろ)

キャラクターデザイン担当


ゲッターラブ!!チームゲッターラブ!!チーム

「似顔絵を描くということ」

人が目に見えるものを記憶する時、
決して細部にわたるまで記憶するわけではない。
主だった特徴以外の情報を切り捨て、誇張するのである。
言ってみれば、圧縮データのようなものである。
似顔絵を描くという行為は、これを紙の上に
再現することに他ならない。
私が書く似顔絵は、すなわち、私にその人が
どのように見えているかの証明である。
人によっては、自分のコンプレックスになっている部分を
誇張されることを快く思わない人もいる。
しかも、好意、または悪意を持っているなどの
主観も入っているので、始末が悪い。
昔は、女の子の似顔絵を描かせると誰に好意を寄せているか、
一発でバレたものである。

だから、最近は極力好意的に描くようにしている。
でも、「オレ、こんなんじゃないよ~」という声が
聞こえてくる気がする。


カツ

高橋 克則 (たかはし かつのり)

メッセージ担当

どうも。メッセージを監修した高橋克則です。
「ゲッターラブ!!」が生まれる瞬間から完成に至るまで、
ずーっとこのゲームに関ってきただけに、こういう
コメントを書けるというのは感慨深いものがあります。
ううっ。ここに来るまで長かったなぁ…。
と、いうわけで制作期間中、ずっと付合ってきた、
個性的な登場キャラクターについてのコメントなんかを
ツラツラ書いてみようと思います。

◎白井 あゆみ
 (いちおう)ヒロインなのにガングロ!!(笑)
 これは今までにない新しい試みです(?)
 駅前の日焼けサロンとかに通ってるんでしょうね。たぶん。
 遊んだひとから「コギャルだ!」っていわれたりして、
 製作者側からすると「もくろみ成功」なわけですが、
 ゲームを進めてもらえば分かるとおり、意外と(?)
 中身はフツーな女のコです。
 いまひとつ、真琴ちゃんの影に隠れちゃって
 あまり目立ちませんが(悲しい…)
 お茶目な所もあってすごくカワイイです。
 (ヤキニッカーズのテーマとか…ね)
 個人的にはゲッターの女のコで中で誰かとつき合うなら
 あゆみちゃんかなぁ?と思ってますよ。
 社交的で楽しそうだもんね。

◎伊東 なつき
 ゲーム中のなつきちゃんの行動を見ていると
 「いるいる! こんなコ!」って気がしませんか?
 ちょっとした事でカンチガイしたり、
 他人のウワサ話をしたり、
 美人に嫉妬してみたり…(笑)
 なんというか「ゲッターラブ!!」の登場人物の中で
 いちばん「地に足がついた」キャラクターだと思います。
 なつきちゃんは下町っ子で元気なイメージのためか、
 やたらと設定(裏設定?)が浮かんできたりもしました。
 例えば、チャリンコ(自転車)で通学してるとか、
 町内会の仕事を頼まれてたりとか、
 実家は昔、酒屋で今はコンビニになってるとか、
 弟のマサオは野球部でライトを守ってるとか…(笑)
 家族構成までちゃんと決めてあるんですよ。彼女は。
 この辺の設定はあまりゲーム本編に出てこないん
 ですけどね。

◎続木 花
 フリマ好きで大メシ食らいでいつも陽気(に見える)な
 花ちゃん。ルックスに関してはひとえマブタだったり
 ガリガリだったりと、およそ「ギャルゲー」的ステレオタイプ
 から逸脱しまくってますね。でも、内面は登場する
 キャラクターの中でいちばん繊細なのです。
 彼女は自分が「ブサイクな女のコ」だと思いこんでいて、
 恋愛に関して臆病になっているんですが、自分に自信が
 無くて恋愛がうまく行かないっていうのはぼく自身にも
 覚えがあったので花ちゃんのメッセージを書くときは思わず
 勝手に感情移入してしまいました。
 なんというか難しいもんですね。ひとの気持ちは…。
 関係ないけど関西風のセリフまわしにも苦労させられました。
 一応、関西出身のひとに見てもらったりして、違和感
 ないように書いてみたんですが、どんな感じでしょうか?
 関西に住まれてる方は、ぜひ感想ください!

◎皆川 真琴
 「ゲッターラブ!!」発売前から大人気だった彼女。
 ルックスとセリフからいわゆるギャルゲーステレオタイプな
 「ワガママで高飛車な女のコ」と誤解されがちなんですが、
 ゲームを遊んでみれば分かる通り、それは大きな
 間違いなのです。
 キツイ内容のセリフが多い真琴ちゃんですが、彼女は
 自分の外見だけに惹かれて近づいてくる男のコに飽き飽き
 しているんですよ。
 だから、最初はプレイヤーにもすごく素っ気無いんです。
 実際、彼女は同性からは好かれてるんですよね
 (なつきは除いて…)
 女のコ同士が会話するイベントを注意して見てください。
 普段と違って口調がすごく優しいでしょう?
 しかも真琴ちゃんは感情表現が苦手なので、思った事を
 素直に口に出せない性格なのです。
 彼女の気持ちをつかみたいのならそういった部分も理解して
 広い心で受け止めてあげられないとダメかもしれませんね。

◎天海 きいろ
 「無口な女のコを登場させたい!」
 そう思ったので、思い切って限界までセリフを少なく
 してみたのですが、あまりに少なくしすぎてゲーム進行に
 支障が…(笑)
 というわけで、かなり調整して最終的には(当初に比べて)
 驚くほど話すようになりました。…これでもね(笑)
 社内のあるひとから「このキャラはメッセージ担当の手抜きだ」
 なんて冗談を言われたこともありましたが決して
 そうではないのです。
 口数が少ないからこそ、一言が重みを持つわけで、確かに
 作業的には非常にラクでしたが、その分、セリフを考えるのが
 他の女のコより大変でした。
 そうした苦心の賜物がエンディングやイベント等に生かされてる
 (はず)なので、じっくりセリフを味わってください。

  ◎森村 雫
 「ゲッターラブ!!」に登場する女のコは制作過程において
 微妙に外見や性格が変化してるんですが、雫ちゃんだけは
 企画当初からイメージが(外見も)ほとんど変わっていない
 「しぶとい」女のコなのです。実は。
 誰にでも優しくて、落ち着いた性格で、世話好きで、頭もよくて、
 子供や動物にも好かれる古風な大和撫子!しかも病気がち(笑)
 と非の打ち所がない彼女ですが、唯一のしかも最大の欠点が…!!
 実は「ゲッターラブ!!」最強の天然ボケなのです(笑)
 …って多分ゲームを遊んだひとは分かると思うけど、
 プレイヤーがワザと選んだおフザケ気味の選択肢なんかにも、
 彼女なりにちゃんと答えてくれるのを見ると、
 「なんていいコなんだ…」と涙腺が潤みます(笑)

◎リィ・メイファ
 彼女のコンセプトは「マンガキャラ」です。
 「ゲッターラブ!!」に登場する女のコは(誇張はありますが…)
 「実際にいそうな感じ」を狙って設定されてるんですが、
 メイファ(麗香もか)に限っては、思いっきりステレオタイプに
 振ってあります。
 チャイナ服着て、「そうネ!」とか喋っちゃって、
 太極拳やってて、もうベタベタ。
 日本人が誤解している中国娘の王道ですね。
 今にも格闘ゲームに登場しそう(笑)
 性格もかなり個性的で、気性が激しくて涙もろく
 熱中すると一直線。
 いちど好きになられる(狙われる)と、ガンガン強引に
 押してきます(笑)
 そこがいまひとつ人気が出ない原因なのかな?
 でも、好きなひとにはたまらないはず。
 好きになったら一筋ですからね。
 嫉妬された時の怖さといったらハンパじゃないけど(笑)
 中華包丁持って追っかけてきそうだしね(…)

◎金剛寺 麗香
 初めて見るひとは必ず度肝を抜かれるスーパー高校生(笑)
 テーマソングとの相乗効果でゾンビ並みに心臓に来る事は
 間違いナシ…かも。
 このヒトのメッセージは書いててとにかく楽しかったです。
 なんせ個性が強烈なので、イメージが沸きやすいのです。
 「レイカってぇ~、ちょ→カワイイからぁ~」なんて、
 実際に言ったら殺されそうなセリフを臆面もなく
 話せるのは彼女だけ(笑)ここまで自信満々に言われると
 返す言葉も無いですよね。ははは。
 プレイするひとの誰もが「うげー!」って叫ぶ彼女なのですが、
 不思議な事に女のコにはワリと人気があったりするんですよね。
 時々カワイイ(ある意味メイワクな…)部分を見せたりして、
 ただの「イヤな女」にしていないのが理由でしょうか。
 どちらにしてもキングボンビーを超えるオジャマキャラに
 成長していってほしいものです。
 …それにしても実際にこんなコがいたら…怖いなぁ(笑)

◎辻 薫
 …薫さんてすっげーオトナだな…とか思っていたら、来年、
 自分も薫さんと同じ歳になるんですよ。ははは…。
 薫さんとはほど遠い自分を考えるとちょっとだけ
 ブルーです(笑)
 セリフはかなりハードボイルドですね。
 クサくなりすぎないように気をつけました。
 予想通りというか女のコに大人気みたいです。
 やっぱモテるためにはこういう男にならなきゃ
 ダメなんですかねぇ?

◎吉川 知佳志
 彼はひとことで言うなら「オシャレなジャイアン」(笑)
 雪舟にとっては「恐怖の大魔王」的な存在なんでしょうね。
 (そういやメガネもかけてるし、雪舟って
  “のび太”っぽいのかも)
 でも、きっと彼はモテます。
 こういうワイルドな感じの男のコって女のコに
 好かれるでしょう?ちょっとドジだしね(笑)
 外見に似合わないベタベタな北海道なまりも
 魅力的(?)です。

◎佐藤 大介
 ほんとに「いいヤツ」な大ちゃん。
 セリフもイヤミが微塵もないですね。
 こういう人を友達にすると最高なんですけどね。
 悩みとか聞いてくれちゃったりして。
 でも彼は肝心なときに「いいひとなんだけど…」と
 言われちゃうタイプなんですよね。
 悲しいけど現実はキビシイ…。彼女にするなら
 タイプ的にはなつきちゃんなんかピッタリだと
 思うんですけどね(←勝手にくっつけてみる)

◎中山 雪舟
 彼は最初は知的でクールなキャラクターだったはずが、
 制作が進むに連れてだんだんおかしくなっていきました…。
 セリフもかなりあやしげ…。
 ゲッター屈指の怪人物です(笑)
 女のコ人気は抜群(らしい)ですけどね。
 それにしてもあの外見で魚類好き(しかも深海魚!)とは…。
 絶句…。

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